月別アーカイブ: 2013年3月

ikpの隠れた名品。ikpチェアー。

ikp椅子チェアー

ikpチェアー

実は唯一、古材を使ってないikpの仲間が居ます。

ikpチェアーです。

レトロなデザインと、古ぼけたようなレザー、チェックのファブリック、ちょっとネップ感があるモケット素材など
それぞれの素材がどことなくゆるい、暖かみある素材感で人気の椅子です。

この椅子には新品のブナ材を使ってます。

「古材家具じゃないじゃないか!?」

はい、そうなんですが、この椅子のようなフレームの細いデザインを作る場合は
強度の問題もあり、人が座るということの最低限の安全を考えて、あえて古材ではありません。

でも、ikpの家具はもちろん、他の家具とも合わせやすいように、ユーズド感のある
ブラウン塗装で仕上げたり、ミルクペイントでシャビーシックな仕上げにしたり
とてもやさしい雰囲気です。

「ちょっと小さくないですか?」とかわいい見た目に座る前に心配する人もいます。
「ちょっと座ってみて。」ってすすめると、座り心地の良さにみんな驚きます。

微妙なカーブの座面と背アタリ。この微妙なカーブの包み込み感がとても好評。

唯一、古材を使わないikpチェアー。とても好評です。

「中古材料?安くできていいねぇ?」冗談じゃない!!

ikpの家具につかう木材は、現場で長年使い込まれた「杉の足場板」です。

「中古の材料で安く作れていいねぇ〜、儲かるでしょ?」とたまに言われますが、「中古=安くなる」と思っていたら大間違い(笑)

まず、材料だってちゃんと仕入れてきます。(笑)

現場で長年使い込まれたってことは、雨風さらされて、砂や土も付いてるし
現場で使ってた「クギ」や「タッカーの刃」も刺さってるし
表面はささくれている物もある。

だから、入ってきた材料は
1.高圧洗浄機でよごれを荒い落し
2.金属探知機でクギやタッカーの刃を探して取り除き
3.さらにワイヤーブラシで木目に詰まった細かな砂などを取り除く

さらに
4.ささくれを取り手触りを良くするためカンナで処理して
5.さらに手触り良くするベルトサンダーで仕上げの研磨
6.最後にオイル塗装でフィニッシュ。

展示会に遊びに来たカップルとかたまに、オトコの方が
「あー、これならオレでも作れそうじゃん。」とか言って、彼女の前でカッコつけて通る人いますが

「(やれるもんならやってみーーー!)」(心の叫び)

ですよ。(笑)

まぁ、ここには書けない企業秘密もたくさんあるので、あまり突っ込むと墓穴掘りますが。

ようは、新品の材料を使った方が手っ取り早いんです。安定してますから。

最初の頃、このクギに気がつかなくて、木工の機械に通した瞬間に

「バリバリバリバリッっ!!!」ってウン万する刃物が一瞬でトビマシタ。。。

苦労してここまで来たんです。。。。

がんばってるんです。。。

なぜそんな苦労してリスク背負ってまでやるのか。

それは、そうやって手を掛けて生まれてくる家具の表情には、新材からでは到底生み出せない「なにか」言葉で説明できないあたたかみがあるからです。

半分イカれてやらないと、すぐに気持ちが折れちゃう材料。

それがイカピーの家具となる材料。

中古=安くなるなんて、とんでも無いっす!

静岡家具メッセikp

6月展示会静岡家具メッセの展示。

ikp イカピー?なんでそんな名前なの?って聞かれます。

ikpイカピー誕生秘話。

森、北川、関本の3人で最初に決めたのは、発表する場を「2011年6月の静岡家具メッセ」にしようって。

なんとこの時2011年の3月。3ヶ月後。

いや、ちまちま時間掛けても出来ないものは出来ない、やるなら一気に立ち上げようって、とにかく突っ走り出した。

毎年この家具メッセに出展しているけど、きっと出展者や、もしかしたら来場客からも「関本の息子、とうとうイカれちゃった。」って言われるかも知れないって、ポロッと口にした。
だって今まで均一であることに常に技術を磨いてきた会社だから。

そうしたら、森さんが
「いや、ウチも古材始めたとき、周りから『森平の息子、イカれちゃったな』って言われましたよ。」って。

「やっぱり? ワハハ!!」

「どうせ言われちゃうなら自分から言っちゃえばいいんだよ。」

「そうだそうだオレらはイカれてますが、なにか?みたいな。」

「イカれた大人のproject、略して【イカピー】だ!」

「いいね、それ、イカピーにしよう。w」

ということで、2011年3月、このプロジェクト名は
イカピーとなりました。(笑)

ikpの初期テーブル。原点。

ikpの初期テーブル。原点。

サビやペンキやキズ。それら全てがikpの表情です。

本来、木には節もあるし、キズもあるんだけど、化粧合板の普及で、いつしか家具に均一や対称性を求める時代になっちゃった。

けれど、ikpの家具はまったくその逆で、節・キズはもちろん、ペンキや職人さんがおそらくペンキの缶を乗せっぱなしにして忘れちゃったサビ跡もあって、それがまたイイ味になってる。

ikpの家具に触れた人のほとんどが微笑んでくれるのは、昔なつかしい、人の持つ記憶の何かに響くからなんじゃないかって。

「個人的には好きなんだけど。」ってみんな言いますから。

静岡家具メッセ出展テーブル

静岡家具メッセ出展テーブル

古材家具ikp(イカピー)とは?

IKPとは
「イカれた大人が古材をイカしてイカした家具を創造するプロジェクト」

ikpの家具は、建築現場で長年使い込まれた杉板を
独自の加工方法により、自然に生まれた風合いを活かしながら
新たな表情を材料に吹き込む。

その独自の方法から生まれた木材は、新しくて古い、
長年使い込まれているようで新品という
本物の古材とは違う古材家具へと生まれ変わる。

本来木材の持つ風合いと、現場で使い込まれた
「ペンキ」や「サビ」などを
あえてありのままの姿で表現するため
一枚一枚の板は二度と同じモノが生まれない。

一期一会の家具。それがikpの家具です。

古材家具ikpのテーブル。

古材家具ikpのテーブル。